大阪生まれ福岡在住の筆者が、自由にボートゲームのあれやこれやを書き連ねるブログです。
ボドゲが活発な福岡から楽しいことも難しいことも発信します。

【レビュー・紹介】マカオ【雇用も建築も資材集めも計画的に…】

どもども、ユーヤです。

ボードゲームは海外の歴史や発展・営みにフォーカスした作品も多く存在します。以前紹介した『オレゴン』なんかは、まさにその一つですね。
宗教や歴史などで有名な国が多く取り上げられがちなので、イギリス・フランス・アメリカあたりが多いイメージですが、アジアの国を題材にしたゲームにも面白いものがたくさんあります!

とゆーことで今回は、中華人民共和国マカオ特別行政区の歴史と発展を舞台にしたゲームマカオのご紹介です!

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マカオ(プレイ時間:75~90分 プレイ人数:2~4人)

【ルール概要・システム紹介】

① ラウンドの開始に建物や人物のカードが公開されるので、手番順にカードを1枚獲得する。

② ダイス6個を振り、各プレイヤーがそのうち2個のダイスを選択。

  選択したダイスの色の資源をそのダイスの数値分獲得する。

③ このラウンド使用する資材を各プレイヤー確認し、

  手番の人から資材・コイン・カード効果を用いてできることを全て行う。

 終わったら次のプレイヤーへ。

④ ③を全員終えたら1ラウンド終了。これを12ラウンド繰り返す。

⑤ 12ラウンド終了後に最終得点計算をして、最も点数の高いプレイヤーが勝利!

次代のマカオの代表になるべく、役職者を雇用し施設を建て、貿易や海岸線・町の開拓にも精を出す…という昔のマカオの発展を題材としたゲーム。メインボードの淡い色味と島々が、なんとなくマカオの風情と歴史を感じさせる。(知らんけど)

「『これと似たゲームシステム』という前振りが全然できないゲーム」を作ることで有名な(個人談)ステファン・フェルトさんの作品で、例に漏れずめずらしいシステムと理不尽さを内蔵している。

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町、海岸線、広がる海と島々…見た目(だけ)はのどかなボード

まず何より資源の獲得方法。上でも記載した通り「6色のダイス6個を振ってそのうち2個を各々選択、その色の資源を出た数値分獲得」なのだが、実はもう一つ獲得時に守るべきルールがある。

それは「『今のラウンド=ダイスの1』として、『出たダイスの数値分未来のラウンドに使える資源』として獲得する」という内容。

すっごくピンときづらいが、例を挙げるなら下のようになる。
・赤の1を選択
 →「赤の資源1つを、今のラウンドに使用できる資源として獲得」
・黒の3を選択
 →「黒の資源3つを、2ラウンド後に使用できる資源として獲得」

ここまでだと「なるほど、多くもらえるダイスでも、しばらく経たないと資源が使えない。場合によってはダイス目が小さくてもそれを選択して、計画的に資源を集めて蓄えながらアクションをしていくゲームだな。」になる。

が、このゲーム、ラウンドをまたいで資源を持ち越せない。カードに書かれた特殊効果の恩恵を含めても、絶対に資源はラウンドをまたいで持ち越せない仕様になっている。

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羅針盤でラウンドごとの資源を管理。細かなとこまでハイセンス。

アクションに要求される資源の内訳は「緑4つ」「緑と赤2個ずつ」「黒、紫、青、赤で1個ずつ」など、資源のため込みが出来ないのに、それなりの資源内容を要求してくる。とゆーか1ゲーム中に「1ラウンド中に4種類以上資源が使える」ケースが起きない事すらある。そのあたりの采配は、すべてダイス神様の胸先三寸だ…。

資源・カードにはさらに厳しい一面が。
カードは毎ラウンド必ず1枚とらされるが「上限(5枚)を超えたカード1枚につき-3点」「ゲーム終了時出せなかったカード1枚につき-3点」のペナルティ有り。
資源は毎回どこに獲得できるかわからないのに、「自分の手番に使える資源が1つもない場合-3点」のペナルティ有り。
と、とにかくケアしないといけないリスクがあちこちで発生する。

カードの内容が人物や施設、行政の内容になっているので、自分が思うに「あなた次代のトップ目指すんでしょ?だったら資材調達も雇用も建設計画も無駄なくきっちりやらないと。」と、リアルで求められるリーダーとしての必要な部分を、このペナルティ部分に感じる次第だ。

こんな感じで理不尽と厳しさに満ち溢れたゲームだが、個人的体感としては非常に公平なゲームバランスと感じている。おそらく、「全員が同じダイスの目を見ている」「全員が同じカードの内容を見ている」「初期段階で個別の特殊能力などがない」と、スタート位置も理不尽さもみんな一緒で、「各々が取捨選択してゲームに参加しているという感覚が強い」からでは…とか思っている。

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出れば発展の強い味方になるカード達。そう、出せればね…

【自分語り】

こちらも毎度おなじみ「素敵な旦那」からの布教を受けた一作。この人ホントにこっちのストライクゾーンつくのうまいのよ…(褒)

とにかく気持ち悪い…もといユニークなシステムが印象的。1回目はペナルティ怖さに守りに入って点が伸びず、2回目は攻めすぎた結果ペナルティに溺れる羽目に…。国の舵取りよろしく、繊細なリスク管理を平等に要求してくるゲーム姿勢が個人的に◎。

このゲームをきっかけにフェルト作品が気になり始めるようになる。
各作品に無二のシステムやバランスが組み込まれていて、「このゲームはどんな面白いシステムが組み込まれとるんやろ」と、毎回楽しみにさせてくれるのがすごく好ましい。

ちなみに中古ですら1万円を超えるプレミア品のようで、入手は至難と思われる。
自分が勝った時は中古で1.3万円と、価格的にもインパクト大のゲームである。(2020中ごろ~終わりにかけてのお話です。)

【終わりに】

以上、マカオの発展と歴史的リーダーのあり方に苦しめられるゲームの紹介でした!
今ではきらびやかな街の、苦労に満ちた発展過程…ぜひゲームを通じて体験してみてください!(そしてみんな苦しめ!)