大阪生まれ福岡在住の筆者が、自由にボートゲームのあれやこれやを書き連ねるブログです。
ボドゲが活発な福岡から楽しいことも難しいことも発信します。

【レビュー・紹介】ロレンツォ・イル・マニーフィコ【親族のやる気はダイス次第・・・】

どもども、ユーヤです。

ボードゲーマー、特に西洋の歴史系が好きな人に聞きなじみのある貴族としてメディチ家という一族がいます。僕は歴史には明るくないですが、当時のイタリア統治に置ける最高格の貴族だったようですね。

どれくらい聞きなじみがあるかというと、ボードゲーム名に『メディチ』というゲームがあるレベル。現代でいう「科学的新発見に自身の名前が付けられる」を、この界隈限定とはいえやれちゃうほどです。

とゆーことで、今回はメディチ家に仕える有力貴族になって自身の街を盛り立てていくゲーム『ロレンツォ・イル・マニーフィコ』のご紹介!

f:id:cousi33:20220314113430j:plain

◆ロレンツォ・イル・マニーフィコ(プレイ時間:90~120分  プレイ人数:2~4人)

【ルール概要・システム紹介】

① 代表者が3色のサイコロを振り、メインボード上所定の場所に置いて公開する。

② 手番順に手持ちの親族コマ1つを、メインボードのアクションスペース1つに配置して、書かれているアクションを実行する。

③ ②を手元の親族コマすべてで行ったら、1ラウンド終了。評議会エリアに親族コマを置いた順番で次ラウンドの手番順を決定する。

④ 偶数ラウンド終了時には、③の後に進行力の確認して、ボーナスやペナルティの処理を行う。

⑤ ①~④を6ラウンド分行ってゲーム終了。個人ボードや獲得したカードの得点を計算して、最も点数の高い人の勝利!

高貴なメディチ家に仕える有力貴族として、より良い街づくりを目指す。
ゲーム名にもなっている「ロレンツォ・イル・マニーフィコ」は人名で、「ロレンツォ・デ・メディチ」の別称。メディチ家が最盛期だったころの当主とのことで、箱絵に自画像載せちゃうぐらいにはやり手だったようだ(知らんけど)

ゲーム自体は結構シンプルなワーカー(ダイス?)プレイスメント・箱庭系のゲーム。
個人的にこのメカニクスの組み合わせは、一定量面白さを確約された組み合わせと思っていたりする(異論は認める)が、それでもこのゲームは、それらの中でも頭一つ抜けて面白い印象。

個人的には「ダイスによって親族コマの動きに制限が出る」システムが、要因の一つと考える。
毎ラウンド最初にダイス3つが振られるが、このダイスは各色の出目と親族コマがリンクしている。このゲームではアクションスペースに「何が出来るか」に加えて「どれ位のパワーの親族コマが置けるか」も記載されている。そう、パワーが低いと、コマの置けるエリアに制限が出てくるのだ。
(なお、筆者自身は「親族のやる気」と揶揄することがあり、「今日は親族やる気ねーな…」とか考えたりしている。)

f:id:cousi33:20220314113946j:plain
こちらは全くやる気のない親族。長期休暇明けかな・・・?

この制限はある資源を支払うことで一時的に上げることが出来るが、当然その資源もどこからか集めてくる必要があるので、無策に消費は出来ない。
親族の動ける範囲で、いかに効率よく街の発展につなげていくか、時に強引に、時には無理せずミニマムな動きで、気分屋な親族たちをまとめる長として手腕を発揮しよう。

ゲームのキモは各種カードの獲得。このゲームでは領地・人物・建物・冒険の4種類のカードを集めていくことになる。
それぞれ様々な資源や得点、ボーナスを持っており、これらを方針立てて集めていくことでさらに大きな得点につなげていくことが可能だ。

で、もちろんそんな簡単にとらせてはくれないわけで…。
領地を除きカード自体にコストが決まっており、対応する資源を支払う必要がある。このゲーム序盤~中盤にかけて資源が非常に苦しいので、これだけでもまぁつらいんだが、更に首を絞めてくるのが、「ワーカー配置時にかかるコスト」だ。

カードを取るアクションは「塔エリア」と呼ばれ、毎ラウンド4つの塔に各種カードが4枚ずつ並べられる。各塔には最初の一人は何もなく配置できるが、すでに先約がいる塔に配置する場合は、3金を要求される。
このコストが非常につらい。このゲーム、終了時には12~15枚ほどカードを持っている事がほとんど。1枚の獲得に「たかが3金」と言ってしまえばそれまでだが、まとまって3金得られるアクションが殆ど無いこのゲームで、このロスを取り返すのは決して簡単ではない。

f:id:cousi33:20220314113952j:plain
塔エリアは何時だって熾烈な取り合い。緩さを感じさせないシビアな仕上がりだ。

またこれらの事から、このゲーム「先手がめちゃくちゃ強い」ゲームでもある。
手番は評議会エリアにコマを置いた順で入れ替わっていくが、このエリアのアクションはあまり強くない・・・。そして強くないアクションに1手番使わないといけないので、後手番で迎えたラウンドは、相当耐えるラウンドとして覚悟しないといけない。もうどこを見ても苦しいだらけだ。

【自分語り】
実は筆者が初めて買った重量級ゲーム。
大阪帰省時に友人と遊ぶボドゲを店員さんに相談したところ、かなり力強くお勧めしてくれたので購入。当時の筆者はまだボドゲ始めて間もないぐらいで、金髪・マスカラバッチリ・化粧ばっちりのギャル店員さんが、こんな渋いおっさんの描かれたゲームを嬉々として持ってきたことが衝撃的だった…。

実際遊んでみると、おすすめしてきたのも納得の面白さ。年数回しかボードゲームをしないような友人が「おもろいなこれ、もう一戦やろや」と即リピートを希望してくるほどだ。なんと言うか、全体的にままならなくて不便も多くて、でもその中でどうにか上手くやってやろうと思える程度のナイスバランスな絞り方をされている印象。
知人のボドゲラジオでも話したが、不便が楽しい「キャンプ感」を強く味わえるゲームだ。

f:id:cousi33:20220314113957j:plain
最初は寂しい自分の領土。ゲームを進めてもりもり発展させていこう。

【終わりに】
自己主張強めの箱絵のゲームの紹介でした!(主題がそこではないが)
純粋に面白いゲームなので、触ったことない人はぜひ一度遊んでみてください