【レビュー・紹介】ガンジスの藩王【お金で勝負?名声で勝負?】
どもども、ゆーやです。
ボードゲームはその多くが他プレイヤーと対戦する仕様になっています。
もちろん「協力型ゲーム」というカテゴリーもありますが、筆者の知る限りでは対戦型ゲームが大多数という認識ですね。
当然他者と競うので「点数が高い」「より多く○○を持っている」といった競い方がほとんどですが、中には非常に珍しい方法で勝敗が決着するものもあります。
とゆーことで、今回は珍しい点数方法で勝者を決めるゲーム「ガンジスの藩王」をご紹介!
◆ガンジスの藩王(プレイ時間:60~90分 プレイ人数:2~4人)
【ルール概要・システム紹介】
① 手番順に自分のワーカー駒1つを、メインボードの好きなアクションスペースに配置する。場所によってコストの支払いを行い、そのスペースに書かれたアクションを実行する。
② 全員が全てのワーカー駒を置ききったらラウンド終了。ワーカー駒を回収して、スタートプレイヤーを行ったアクションに応じて交代する。
③ ①と②を繰り返して、ゲームの終了条件が満たされたら、スタートプレイヤーの右隣り(そのラウンドの最後手番の人まで)アクションを行い、ゲーム終了。
④ ゲーム終了時の状況を各プレイヤー確認して、最も達成状態が良い人が勝利!
6世紀のインドを舞台に、次期王様になるべく自分の領土を開拓しながら富と名声を集めていく。箱絵や資源であるダイスを置く場所が、いかにもインドな雰囲気を醸し出している。
ゲーム自体はかなりオーソドックスなワーカープレイスメント。『ナショナルエコノミー』や『アグリコラ』のように、言語依存や他プレイヤーの見えない情報というのが一切ない。その上で単調なプレイ感になりにくいのは、「ダイス=リソース」のシステムに由来するところだろう。
このゲームにおけるダイスは、他ゲームの「木材」「石材」のような資源の扱いになる。ただし、ただダイスを払えばアクションが出来るというわけではなく、「色」「値」の制限をその都度受けながら、アクションのために消費されていく。ダイスの獲得量はなかなかに渋く、低い値でなければ行えないアクションもあれば、高い値が有利になるアクションもあるので、「そのタイミングで見えているもので、いかに勝ちに繋げるか」のアドリブ力が試される。
また、当然のように先手番が強いゲームでもある。後手番ほどできないアクションが増えるのはもちろん、「アクションは出来るけど余計にコストがかかる」というシーンも増えてしまう。手番をより早くするのはもちろん、狭い選択肢でプレイする必要が出た際に、上手にほかのプレイヤーと被らないようなかじ取りも重要だ。
とはいえ、この辺りまではよくあるワーカープレイスメント。
このゲームの最も特徴的なのは「ゲームの勝利条件」で、ずばり「お金トラックと名声トラックをクロスさせた人が勝ち」というもの。
メインボードの辺部分には、お金と名声のトラックが書かれており、それぞれ反対方向に進むようにデザインされている。ゲーム中にこれらのパラメーターを高めていった結果、割合はどうあれ両トラックマーカーがクロスすればいいのだ。
この、他にはなかなか見ない勝敗方法だが、「地域の時代の有権者(今回の場合は王様)を決める」というテーマから考えるなら、非常にフレーバーにマッチしたものと考える。統治者として「民からの信頼・人気」はないと成り立たないし、周囲への影響という点では「資産・資金力」も切り離せないファクターだ。そのバランスこそ諸国それぞれ重視されるものは違うものの、「どちらも掛け合わせて、統治者として成り上がる」様子が、このルールには込められている…気がする。
【自分語り】
来福初期のころにオープン会で遊ばせてもらったのが最初。ルールを聞いた時の「!?」が今なおよく覚えており、その時の感動?驚き?と楽しく遊んだ記憶に引きずられて、ヤクオクで見つけたものを購入。
大体のゲームはやるたびにそれなりに上手くなっていくものなのだが、これについては何回やっても上手くいかない。プレイ自体はシンプルだし楽しいが、「上手に勝つ」を目指すと何ともならない感じになってしまう…それでも面白いから遊んじゃうんだけども…。
ちなみに箱絵になっている青肌多椀のやつは「カーリー」というインド神話の神様の一人。酔って踊りだすと勢い余って地割れが起きるらしく、思わず旦那が寝そべって踏まれることで、衝撃を緩和するとかいう逸話があるやべー神様です。
インド神話は内容がぶっとんでて面白いものが多いので、興味ある方はぜひ。