大阪生まれ福岡在住の筆者が、自由にボートゲームのあれやこれやを書き連ねるブログです。
ボドゲが活発な福岡から楽しいことも難しいことも発信します。

【レビュー・紹介】ブリュージュ【さいころコロコロ、厄災ゾロゾロ…】

どもども、ユーヤです。

筆者の好きなボドゲデザイナーの「ステファン・フェルト」さんは、全員に平等に苦しい部分を課してきたり、全員共通のランダム要素を取り込んだりするのが好きなデザイナーです。(と、筆者は勝手に思ってますw)
特に後者は顕著で、このブレ幅をみんなで一喜一憂する感じが個人的には楽しかったりもします。

また、他のゲームであまり見ない癖強めのギミックやシステムを毎作品ごとに突っ込んでくることが多く、同じ作者でも毎回新鮮に遊べるというのも好みですね。

とゆーことで今回は、そんなフェルト先生の作品からブリュージュをご紹介!

ブリュージュ (プレイ時間:60~90分 プレイ人数:2~5人)

【ルール概要・システム紹介】

① 全プレイヤーの手札が5枚になるようにカードを補充。

② 5色のダイスを振り、出た目によって全プレイヤー共通の処理を行う。

③ スタートプレイヤーからカードを1枚プレイ。複数あるアクションの中から、そのカードを使用することで出来るアクションを選択して実行する。

④ ②を全員が5枚実行したら、既定の項目について単独トップがいるかを確認。単独トップに対応する特典を与えてラウンド終了。

⑤ ①~④を山札が枯れるまで繰り替えす。枯れたらその次のラウンドでゲーム終了。

⑥ ボード・カードから得られる得点を計算して、最も高い人の勝利!

舞台はベルギーのブリュージュ。まだまだ発展途中のこの町で、プレイヤーは運河を整備し家を建て、人を呼び込み発展に貢献していく。戦後の日本よろしく、発展過程のこの町では病魔や災害、反乱も度々発生…それらの対応も、町の正しき発展のためにこなしていこう、というゲーム。

システムは「ユニーク」が挙げられるだろうか。呼び込む人物がカードに書かれており、それらの人物は様々な効果でプレイヤーを助けてくれるようになる。(中には邪魔するやつもいる…)
しかしそこはフェルト先生。ただカードをべしべし出していくだけではない。このゲームは、カード一枚が他アクション結果の参考値を決定する役割も持っているのだ。

様々な住民の力を借りて、よりスムーズに町興し事業を進めよう

カードには5色の色があり、裏面でどの色のカードか分かるようになっている。そして、プレイヤーが出来る全アクションのうち、人物カードとして扱う以外はこの色によってアクションの内容や強弱、コストが制限されることになる。

「ユニーク」のシステムは、その特性上カードの知識があり強い弱いを判断できるプレイヤー、すなわち経験数の多いプレイヤーが圧倒的に有利になる。
ブリュージュ』でも当然便利な人物カードを優先で場には出したい…が、そのために必要な資金やコスト、人物カードを出すための場所の準備などを加味すると、人物カードの効果としてではなく、カードの色を優先する場面もちらほら出てくる。
カード知識だけでなく、文字通りカードをどう使うかがカギという、他のユニーク系ゲームにはない独特のプレイ感だ。

水路を作って家を立てて、人を呼び込んで…町興しは大変だ

ちなみに、「みんな苦しくてみんないい」主義のフェルト(勝手に命名)らしいポイントも搭載されている。毎ラウンド全員平等に降りかかってくる、「厄災」だ。

ラウンド最初に振られる5色ダイスは、アクションの強弱を決めるほかに、「5 or 6が出たら、全員にその色の厄災タイルを1枚プレゼント」という嬉しくないおまけを出してくる。このタイル、同じ色のものを3枚集めると、もれなくペナルティが発生。お金が全部なくなったり、出した人物カードが疫病で死んだりと、ろくでもないことしか起きない。

プレイヤーのアクションでタイルを取り除くことはできるが、そもそも厄災タイルをもらうか否かは運次第。みんな等しく与えられる課題だけに、プレイヤーごとの意識差が大きく出る部分だ。(そして油断した人から厄災に飲まれていくのだ…)
こういった「平等に課せられるノルマや課題を、個人の裁量でどうするか」といった要素は、筆者に刺さりやすいポイントの1つである。

町の発展は簡単に成らず…他社との競争を超え、理不尽な厄災を解決し、たまに他プレイヤーを邪魔しつつ、歴史に残る町おこしを成功させよう。

放置すればどんどん進退窮まる状態に…

【自分語り】
「フェルト先生が好き」という理由でヤフオクで購入。持ってる人もあんまりおらず、ほどほど価格でも中古ではあまり見なかったので良い機会。

個人的には「カードに依存し過ぎない、中量級洋風版テラフォーミングマーズ」といったイメージ。カードコンボと派手な動きが華のテラフォに比べて、適宜最適なプレイ方法でカードを活用して、細かくアドバンテージをとっていくという感じだろうか。
とはいえ、便利なカードは便利だし、意地悪な部分も多分にあるので遊ぶ人は選ぶかも…もちろん筆者は大好きである。

ゲーム自体もブレ幅が大きく、厄災ゾロソロな日もあれば、何もない穏便な日もある。カードを引く効果が多発して凄まじいスピードゲームになることもしばしば。その時々で味わえる、一期一会のプレイ感を楽しんでいる感じだ。

拡張ではプレイを助けるボート・イベントカードも登場

【終わりに】
厄災を乗り越え町の発展に尽力するゲームのご紹介でした!
「ユニークは遊んでみたいけどちょっとハードルが…」な方は、是非一度遊んでみてください!