【レビュー・紹介】エルグランデ【勝負のカギは騎士・王・城！】
どもども、ゆーやです。
筆者の友人にオープン会や企画事の主催も多く、そのうちの一人は「名作ゲーム会」という企画をしています。
「昔からの有名作品・不朽の名作に触れてもらおう！」という趣旨の会で、『プエルトリコ』や『アグリコラ』等のよく知られているゲームを題材に、毎度盛況の会になっている様子。
「今更こんな古いのを…」と思う方もいるかもですが,「新しい＝優れている」と言い切れないのはボードゲームの特徴の一つで、毎回参加者が「楽しかったー！またやりたいー！」といい顔で帰っていくのを見て、ほっこりしている一参加者だったりします。
とゆーことで、今回は名作ゲーム会にも取り上げられた不朽の名作、『エルグランデ』のご紹介！
◆エルグランデ （プレイ時間：90分 プレイ人数：2～5人）
【ルール概要・システム紹介】
① 手元から数字の書かれたカード（パワーカード）を、ほかの人と被らないように順番にプレイ。
② 数字の大きい順に、規定数騎士コマを補充したのちに、アクションカードを1枚選び、「騎士コマの配置」と「アクション効果の使用」を好きな順で行う。
③ ①～②３回繰り返したのち、城の得点処理・配置処理を行い、各土地の得点処理を行う。
④ ③を3回行ったらゲーム終了。狩猟時に最も得点の高いプレイヤーが勝利！
15世紀のスペインを舞台に、自分の騎士を展開しながら勢力を拡大。各土地で自身の影響力を伸ばしていき、時代に名を残す有力者を目指す。様々な部族・貴族・血筋が台頭してきた時代よろしく、ゲームが進むにつれて盤面がごちゃごちゃしてくるゲームだ。
システムはいたってシンプルな「エリアマジョリティ」。
それ以外に根幹となる部分はないし、それ以外の方法で得点の確保もできない…と、非常に明瞭なシステムだ。
実際動きもシンプルで、「カードを1枚出す→カードを1枚選ぶ→コマ置く＆効果使う」を順繰りにするだけ、だがもちろんそれだけじゃぁないのが不朽の名作たる所以だ。
ゲームを通じて使用する2種類のカードは、1枚を選ぶことで2つ以上の要素を決定する（もしくは決定に関与する）デザインになっている。例えば、ラウンド最初に出す「パワーカード」。これは「このラウンドの手番順」「次ラウンドのスタートプレイヤー」「補充できる騎士コマの数」をまとめて決定する…といった具合だ。
そして非常にやらしいことに、どちらのカードも「Aが弱いとBが強い」「Aが派手ならBが地味」みたいな構成になっており、毎度選ぶのが非常に悩ましい。わかりやすいジレンマを簡単なアクションの中に混ぜてきているので、悩ましさが際立つ印象だ。
また、騎士コマの配置も「城にコマを入れる」という選択肢が、単純なマジョリティ争いだけではない、駆け引きを生む要因になっている。
城に入れられた騎士コマは、その内訳を定期決算まで確認出来ない。城自体のマジョリティ争いもあり、記憶を頼りに行うが故に、慎重にならざるおえないのだ。
そして厄介なことに、城に入れた騎士コマは、定期決算時に秘密ディスクなるもので指定した1地域に全て配置される。一度に多数の騎士コマがひとところに降ってくるので、マジョリティ争いへの影響が非常に大きく、「騎士コマ0個からマジョリティTOP！」みたいなことも間々起きるのだ。
全体にシンプルなつくり、それでいてプレイヤー間の読み合い・コントロールを促すようなアクセント……これだけのものが90年代につくられて、今なお現役で遊ばれているのだから、まさに「不朽の名作」と呼ぶにふさわしいゲームだろう。
【自分語り】
筆者のパートナーが共通の友人（よく出てく素敵な旦那）から購入。拡張まで入れてくれており、いたせりつくせりである。
ボードの雰囲気やルール量も、我が家の好みにマッチしており、箱がやたらと大きいことを除けば費用に優秀な作品。昔の作品ゆえに、若干色味が分かりにくい部分があるのだけは難点だろうか。
ルールのシンプルさからプレイハードルも低いので、いろんな人に触ってほしい作品。しかし反面、昔のゲーム特有の「ガードレールがない（点数が下がる行動や悪手に対して制限がなく、悪い方向へどんどん転げれてしまう）」点や、勝利点がパイの食い合いゆえに、「僅差の2、3人と沈んだ1，2人」のように、どうしても泣きを見る人が出てきてしまう点もあり。出来るなら初プレイは、悪態も付き合えるような気心知れたメンバーで遊ぶのが推奨される。
