大阪生まれ福岡在住の筆者が、自由にボートゲームのあれやこれやを書き連ねるブログです。
ボドゲが活発な福岡から楽しいことも難しいことも発信します。

【レビュー・紹介】フィレンツェの匠【名作誕生の第一歩は環境作りから!】

どもども、ゆーやです。

以前ブログで「名作ゲーム会」の紹介をいたしました。こちらは「ボードゲームの名作」になりますが、この世には歴史に名を遺す著書・作品がたくさんあります。

そんな名作を生み出す作家や知識人たちは、「天才と変人は紙一重」なんて言葉の通り、様々な「こだわり」を持っている方が多数存在。高慢にわがままに「こだわり」を求め、「こだわり」が満たされた「理想の環境」こそ、彼らの作品を名作たらしめているのでしょうね。

とゆーことで、今回はお抱え作家たちの「こだわり」をかなえていっぱい持ち上げ、名作を生みださせるボードゲームフィレンツェの匠』をご紹介!

フィレンツェの匠 (プレイ人数:1~5人 プレイ時間:90分)

【ルール概要・システム紹介】

① スタートプレイヤーが景観タイル、道化師タイル、各種カードの中から1つ、セリ対象となるものを決定して200金から競りを開始する。

② 100金ずつせり上げる形で競りを行い、最高金額を提示した人が対象物を獲得。

③ プレイヤー全員が何かしらを獲得するまで競りを繰り返す。

④ スタートプレイヤーから順に5種類あるアクションのうち、2つを好きな組み合わせで選んで実行。

⑤ このラウンド作品を完成させたプレイヤーの中で、最高傑作を作成した人を確認。伴うラウンド終了処理をして1ラウンド終了。

⑥7ラウンド行ったらゲーム終了。終了時ボーナスを計算して、最も得点が高い人の勝利!

イタリアの貴族となったプレイヤーたちは、お抱えの芸術家や作家、研究者などに歴史に残る作品をつくらせることで権威を高めていく。しかしこのお抱え達、「森林浴したい!」「図書館が欲しい!」「リフレッシュに旅がしたい!」と十人十色で見事にわがまま…彼らのパトロンとして、欲求を満たす敷地を作りつつ、世に名作を生みだしてもらおう、というゲーム。

図書館やら湖やら天文台やら…作家たちはわがままに何でも求めてくる

システムは「競り」「タイル配置」「セットコレクション」とかだろうか。「(貴族として)自分がどうにかするけど、(作家じゃないので)自分ではどうにかしない」という不思議な世界背景で、とにかくいろいろ準備して、主役である作家たちに熱心な制作活動をしてもらう必要がある。

特に珍しいのは「競り」の仕様。「コールは200金からスタート、釣り上げ幅は一律100金」と、普段やるような競り系ゲームではあまり見ない縛りがついている。
この縛り、地味だが実にやらしく、まず「絶対欲しいから高めに吹っ掛ける」ができない。好みの価格をコールできず、「1ラウンドにつきセリによる獲得は各プレイヤー1つまで」の仕様も相まって、「様子見で+100金釣りあげたら、不要なものを競り落とした」「様子見で適当な物を選択したら、全員にパスされて200金で落とすことになった」の事故もよく起きる。
この絶妙なコントロールのしづらさ+リスクの高さから、「先手も後手も有利じゃない」という謎の競り環境を生み出している。

上手な資金運用ができれば、作家たちの名作・大作に一歩近づく。

加えてこのゲームには「お金の定期収入」というものが存在しない。お金を得るためには競りの後にあるアクションフェイズで、まずは作品を生み出す必要がある。生み出された作品は、作者の好みの環境が出来上がっているほど価値が高い作品になる。そのうえで、この際作品から得られるのは「名声点(VP)」だ。

「じゃあお金は?」となるが、お金は今獲得した名声点を「1点=200金」のレートで変換することで得ることができる。このゲーム、最終名声点が40点前後で争いになるので、1点を変換するのが非常に重く、結果として獲得資金はどんどん渋られ、手持ち金は徐々にやせ細っていく…。
そのうえで前述のシビアな競りを行うので、後半になればなるほどギリギリの金額で競りが繰り広げらるという、「拡大再生産」ならぬ「縮小再生産」のゲームである。

お金は欲しいが点数は伸ばしたい…離されたくない…ウゴゴ…

【自分語り】
福岡で知り合った、古めの名作をよく知っている方に遊ばせてもらったのが初プレイ。
パトロン活動を頑張る!」という何とも不思議で珍しいテーマと、個人的に大好きなタイル配置要素が見事に刺さる。
なかなか手ごろな価格で流通が見られなかったが、少し前に発見したので思い切って購入。

初回プレイからだいぶたって最近リプレイしたが、ボードの雰囲気も好みで、ルールがやや複雑だが遊び感はシンプルに触れることもあり、改めて「良い雰囲気のげーむだなぁ…」と実感。一緒の遊んだ初プレイのみんなも楽しんでくれた様子で良き良き(ニッコリ)

最近のゲームと比較したら、ややもっさり感は否めないので、のんびりまったり遊びたい際にまた引っ張ってきたい所存。

【終わりに】
こだわりに振り回されながら、一生懸命パトロンしていくゲームのご紹介でした!
史実でもわがままな有名作家・著名人は多いようですし、調べてみるのも面白いかもですね。