大阪生まれ福岡在住の筆者が、自由にボートゲームのあれやこれやを書き連ねるブログです。
ボドゲが活発な福岡から楽しいことも難しいことも発信します。

【レビュー・紹介】横濱紳商伝【そこのけそこのけ社長が通るっ!】

どもども、ユーヤです。

お仕事や会社テーマのボードゲームって、実は結構あったりします。
カニズムの分類に「リソースマネジメント(資源を獲得し、その資源を効率よく運用することで、自身の得点や勝利につなげる)」なんてのがあるくらいですし、「会社=上手な運用」といった感じで、題材にしやすいのかもですね。

そして「会社」といえば「社長」、「社長」といえば「忙しい」というのも、キーワード的につながる部分じゃないでしょうか?

とゆーことで今回は、社長になって部下をこき使いながら、自身も横濱を走り回るゲーム『横濱紳商伝』のご紹介!

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◆横濱神商伝 (プレイ時間:120~150分  プレイ人数:2~4人)
【ルール概要・システム紹介】

① アクション書かれたタイル数か所に部下駒を配置する。

② 部下駒のいる場所を通って、社長駒を好きなタイルまで動かす。

③ タイルに乗っている自分の駒・タイルを数え、その総数を参照にタイルに描かれたアクションを実行。その後、そのタイルの部下駒をすべて回収する。

④ ①~③を繰り返して、複数ある終了条件のうちどれかが満たされたらゲーム終了。最も得点の多い人の勝ち!

開国後の横濱が舞台。各国からくる様々な納品依頼を、社長自ら横濱の街を駆け回って品物を集め、納めることで会社の名声を高めていく。社長は部下がいるところを通ったり止まったりできるので、部下が取り付けたアポイントメントを、社長自ら出向いて交渉する…といった感じだろうか。

プレイ中駆け回ることになる各タイルは、資源やお金をもたらしたり、会社の規模を拡張してくれたりと、基本はメリットのみである。このタイルを効率よく動き回るのが社長の手腕の見せ所だ。

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広くて狭い横濱の街を、汗水たらして駆け回る

そして当然、それを簡単にさせてくれないシステムも導入されている。「社長駒がいるタイルのデメリット」というもの。
普通に考えたら、ライバル企業の代表が取引先に居たら、それはそれは間が悪いだろう。このゲームでもその点は組み込まれており、
「他社長駒のいる場所を通過したらお金を支払う」
「同じマスでは移動を終われない」
「他社長駒のいる場所に部下駒をおいてもお金を支払う」
と、無視するには少々重い内容だ。

特にこのゲーム、思ったよりもお金を生み出しにくい。その割には、終了条件にも関わる重要なアクションに高めのお金が要求される。そんな中、他プレイヤーにお金をほいほい払ってたら、商売あがったりだ。

システムという面では、移動に関してもなかなか厄介。
ゲームのシステム上、部下駒が無いと動けないのだが、初期の手持ち部下駒はそんなに多くない。部下駒が多いタイルなら効率良くアクションを出来るが、一か所に固めると、次は移動ルートが減ってしまって立ち往生となる。

「じゃあ部下駒を増やせば!」となるが、それをするには特定のタイルに行く必要があり…と、見事にあちらもこちらも立たせてくれない。

部下さえいれば何歩でも移動できてしまうがゆえに、効率よくアクションを行いたいがゆえに、プレイヤーは「どこにどれだけ部下を割くか」をプレイ中通して頭を悩まし続けることになる。

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誰かが邪魔な時、自分も誰かにとって邪魔なのだ…

また、「終了条件が複数ある」というのも非常に曲者。
どの条件が満たされそうかを意識しておかないと、「今からガンガン得点を!」というさなかでゲームが終了してしまう。
重量級ゲームゆえに、「前半は地盤を固める、点数を獲得しに行くのは後半で」としたくなるのがボードゲーマーだが、このゲームでは特に、「進行具合に対してどれぐらい点を出していくか」のさじ加減が求められる印象。
まさに会社の中長期目標といったところだ。

タイルの内容は人数によって異なり、ピラミッド状に配置されることを除けば「どの場所にどのアクションがあるか」「どのアクションにどのボーナスがあるか」は毎回変わる。また、その他の要素もゲーム開始時点で変わる部分が多く、先ほどの計画性のお話も相まって、非常に考えどころの多い、プレイ時間以上に重量感満載のゲームだ。

【自分語り】
2年ぐらい前に友人宅にお呼ばれした際に初プレイ。当時はやったことない感覚のゲームで、非常に気に入ったこともあり、小規模フリマが開催された際に購入。
何気に「国産ゲーム」としては初めて買ったゲームで、「日本でもこんな重量感のあるいいゲーム作ってるんやなぁ…」と感心しました。

ゲームとして面白いのはもちろん、何がいいって箱の厚みが他のボドゲよりも薄いのが最高。
オープン会とかに持ち歩く際に、「大箱2つぐらい持っていきたいけど、若干大きさがなぁ…」なんてときに、大箱+これならちょうど入りきる場面が多々発生。
もちろん、箱への収まりが悪いこともないので、無駄なくピチッと入るのも◎。
全国のボドゲパブリッシャー、見習って、どうぞ(真顔)

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いかにも開国後らしい技術たち。獲得すればプレイヤーの大きな助けになってくれる。

【終わりに】
横濱を舞台にした、社長大活劇なゲームのご紹介でした!
国産重量級ゲームの雄、ぜひ遊んでみてください!